RATPにおけるSpotの活用事例

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RATP:夜間の点検

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SpotがRATPメトロのインフラ内にある、アクセスが困難で危険なエリアでの点検を実施しています。

RATPグループ(パリ交通公団)は、フランスの国有企業で、パリ首都圏の公共交通機関の運営と保守を担っています。毎年何千もの土木構造物を点検する必要がある同社は、危険な場所や作業員の立ち入りが難しいエリアの点検を行うためにモバイルロボットを導入し、従業員の安全を確保しています。会社によって「パーシヴァル(Perceval)」と名付けられたSpotは、現在、点検プロセスの重要な一員となっています。

「私たちは毎日1,600万人を輸送しています…それが私たちのDNAです。より良い顧客体験を提供し、都市の生活の質を向上させるために、日々革新を続けています。」

— コーム・ベルバン(RATPグループ イノベーションディレクター)

なぜSpotなのか?

1900年に開業したパリの地下鉄ネットワークは、ヨーロッパで最も歴史があり、308駅と220kmの鉄道を備えた最大級の規模を誇ります。このネットワークには、地下通路、トンネル、サブドック、橋、陸橋などが含まれており、それぞれに何千もの点検ポイントが存在します。

ネットワークの故障を防ぐため、保守チームは各構造物の全体的な状態を分析する必要があります。これには、ひび割れやその他の損傷の経時変化の追跡や、電気ケーブルや架線の熱異常の検出が含まれます。これらの作業は、構造物の複雑さや危険性のため、時として作業事故につながることがあります。しかし、Spotを使用することで、作業員は危険にさらされることなくデータを取得できるようになりました。

まず、この課題に対応するため、RATPはパーシヴァルに赤外線センサー付きの360° PTZカメラを搭載し、暗く過酷な環境でも正確な熱画像と視覚データを取得できるようにしました。さらに、RATPはメッシュネットワーク技術を用いたアンテナ付きの無線機器を追加し、WiFi信号が大幅に劣化する450メートルのトンネル内でもデータを取得できるようにしました。これらの追加装備により、Spotを遠隔操作して構造物の視覚データを収集することが可能になったのです。これにより、従業員はより安全な場所からSpotが取得したデータを確認できるようになりました。

本プロジェクトを進めるにあたり、RATPはボストン・ダイナミクス社のパートナーであるIntuitive Robotsと協力し、点検ミッションの実施、機器の設定、現場での専門的なサポートを受けました。

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「RATPインフラ部門では、パリ大都市圏の交通ネットワークにおいて、35,000以上の土木構造物を点検・維持管理しており、それぞれ5年ごとに検査を行う必要があります。しかし、中にはアクセスが非常に困難で、保守チームにとって危険を伴うものもあります。そこで、オペレーターが安全に任務を遂行できるよう、Spotを活用することが明らかになりました。」

— ウィリアム・ニエプセロン(RATPインフラ ビジネスマネージャー)

今後の展望

RATPは、Spotの活用によって多くの利点が生まれると考えています。同社は、管理する35,000の土木構造物のうち、Spotによる検査対象として75〜100の構造物を特定しており、これを換算すると、換気が極めて悪い13kmの閉鎖的なトンネルに相当します。さらに、RATPは自律型レーザースキャニングモジュールを搭載したSpotを活用し、地下インフラの測量を行う計画も進めています。Spotは、アクセスが困難で正確なデータの取得が難しいインフラのデジタルツインを作成するために使用される予定です。

RATPについて

RATPグループは、イル=ド=フランス地域圏における公共交通の主要事業者であり、その長年にわたるネットワークは、世界で最も密集し、複雑なものの一つです。フランス国内外では、子会社のRATP DevおよびRATP Cap Île-de-Franceを通じて、780以上の都市で都市・郊外のマルチモーダルネットワークを運営しています。

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Intuitive Robots社について

Intuitive Robotsはフランスに拠点を置くロボティクス分野のヨーロッパの主要企業です。ソフトウェア開発とペイロードの設定を専門とし、同社はさまざまな業界でSpotロボットに特化した幅広いサービスと専門知識を提供しています。

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