ターナー建設、地上ロボットの導入で点検時間を95%以上短縮

建設サービス会社のターナー建設は、Drone Deploy社の自律型モバイルマッピングを活用し、進捗状況の確認にかかる工数を大幅に削減しています。
ターナー建設は、米国を拠点とする国際的な建設サービス会社で、従業員数は1万人を超えます。技術革新への取り組みで世界的に知られており、年間約120億ドル相当の建設プロジェクトを手がけています。
Drone Deploy Platformを積極的に活用している同社は、最近、全米各地で進行中の大規模データセンター建設プロジェクトにおいて、ツールの一環として地上ロボットを導入することを決定しました。現在、ターナー建設はDrone Deploy社のロボティクスソリューションを活用し、建設現場の自律的なデータ取得や360°バーチャルウォークスルーを日常的に行っています。夜間にロボットを現場へ送り、正確かつ一貫性のある形で進捗状況を記録することで、同社は、現在進行中の大規模なデータホールの建設を含む複雑なプロジェクトにおいて、進捗状況を正確かつ一貫性をもって記録し、着実な成果を上げています。
「Drone Deployはまさに求めていた通りの働きをしてくれます」
— ターナー建設 リアリティキャプチャマネージャー クリス・マッキー
ターナー建設がDrone Deploy社のロボティクスソリューションを選んだ理由

以前からターナー建設はロボット「Spot」を導入していましたが、より高度な自律ナビゲーションや遠隔操作機能の強化を目指していました。リアリティキャプチャマネージャーのクリス・マッキー氏は、この課題を解決するためにDrone Deploy社の専門チームに相談しました。
このSpotの強化に当たりマッキー氏が掲げたゴールは以下の3つです:
- ● 大規模なデータセンター建設現場内を自律的に移動できること
- ● 毎日の進捗を画像で記録できること
- ● StructionSiteやDroneDeployといった既存の現場記録ツールと連携し、効率を向上させること
Drone Deploy社のロボティクスソリューションによって、これらすべての目的を実現することができました。現在では、ターナー建設はSpotにInsta360カメラを搭載し、現場での運用を成功させています。
夜間に360°バーチャルウォークスルーを実施
Drone Deploy Platformを使うことで、ターナー建設はSpotが自律的に巡回するルートを設定できるため、作業員が退勤した後の夜間にデータ収集を行うことが可能になりました。
これらのミッションは、どこからでも遠隔でスケジューリングでき、毎日同じ時間に自動実行するよう設定できます。Insta360カメラを搭載したSpotは、現場の進捗状況を詳細に記録し、そのデータをクラウドにアップロードします。その結果、作業員が現場を歩いて写真を撮る必要がなくなり、大幅な時間の節約につながっています。
収集されたデータはストラクションサイト上でビデオウォークとして処理され、360°画像はデジタルのフロアプランにマッピングされます。これにより、閲覧・注釈付け・関係者との共有が容易になります。こうした視覚的な点検を定期的に行うことで、建設現場の変化を正確に記録する優れた手段となっています。Drone Deployとストラクションサイトを組み合わせることで、ターナーの社員は異なる時点の映像を簡単に比較し、進捗を確認できます。たとえば、モバイルアプリのX線機能を使って壁の裏側にある配管設備を「過去にさかのぼって」確認したり、Webアプリのスプリットビューで2枚の画像を並べて比較したりできます。
ターナーの「リアリティキャプチャ」の完全実現をサポート
ターナー建設はもともと、屋外の空撮にDrone Deployと、屋内の進捗記録にストラクションサイトを使用していましたが、今回ロボティクスソリューションを統合したことで、1つのプラットフォーム上で包括的な「リアリティキャプチャ」が可能となりました。
たとえば、Spotは特定の場所を高解像度の360°写真を撮影でき、その画像はDrone Deploy上の既存の空撮データと連携し、地理情報付きで表示されます。
Drone DeployのBIM連携が、コストのかかる手戻り作業を防ぐ仕組み
Spotのミッションが終了すると、データは自動的にDrone Deployのロボティクスプラットフォームにアップロードされ、バーチャルデザイン・コンストラクション(VDC)のワークフローへと送られます。このデータはBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と照合・分析され、問題が大きな手戻りを発生させる前に検知できます。
また、ターナーの技術チームはDrone Deployを使ってSpotを遠隔操作し、現場の特定エリアをリアルタイムで確認することも可能です。
将来を見据え、マッキー氏はこのようなロボティック・リアリティキャプチャが、データセンター建設をはじめとした大規模プロジェクトにおける標準的な手法になることを期待しています。
「Drone Deploy社のロボティクスチームとの連携は素晴らしい経験でした。今後のプロジェクトでもSpotの活用をさらに拡大していけることにワクワクしています」
— ターナー建設 リアリティキャプチャマネージャー クリス・マッキー